無理せず自然体で成果を出し続ける経営者の思考法とは
「自分が動かなければ、会社が回らない」
「社員に任せたいけれど、結局、自分でやってしまう」
「売上が伸びても、心に余裕が生まれない」
経営に真剣に向き合っているからこそ、こんな思いを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
社員の生活を守りたい。お客様の期待に応えたい。会社をもっとよくしたい。
その責任感は、経営を支える大切な力です。ただ、その思いから何もかも背負い続ければ、経営者自身の心や時間に余裕がなくなってしまいます。
私が大切にしているのは、経営者自身も大切にされながら、仲間とともに成長していく経営です。
自分の強みを知り、周囲の力を活かし、継続できる形で価値を届ける。そのための思考法を、ゴールデンルール・メソッド®︎〈GRM®︎〉の考え方からお伝えします。
「自然体」で経営するための出発点は、自分を知ることです。
経営者の中には、人前でビジョンを語ることが得意な方もいれば、仕組みを整えることに力を発揮する方もいます。一人ひとりの話を丁寧に聴き、信頼を積み重ねることが得意な方もいます。
ところが、周囲の成功が目に入ると、自分にある力を見失うことがあります。
「あの人のように発信しなければ」
「もっと大胆に決断しなければ」
「自分も何でもできる経営者にならなければ」
人から学ぶことは大切です。その学びを自分の経営に活かすには、まず、自分がどんな場面で力を発揮できるのかを知る必要があります。
「自分は何をしているとき、人の役に立てているだろう?」
この問いを、ぜひ持ってみてください。
自分には当たり前にできることが、お客様や社員には大きな助けになっているかもしれません。繰り返し相談されることや、感謝されることには、強みを見つける手がかりがあります。
GRM®︎で大切にしている4つの思考も、その自己理解に役立ちます。
| 4つの思考 | 経営で活かす視点の例 |
|---|---|
| WHAT=勇 | 何を実行するか。どんな一歩を踏み出すか。 |
| HOW=誠 | どう進めるか。どんな手順や仕組みが必要か。 |
| WHY=義 | 何のために行うか。どんな価値を届けたいか。 |
| STORY=礼 | どんな経緯があるか。誰と、どんな未来を築くか。 |
行動を起こす力も、仕組みを整える力も、目的を見つめる力も、人との関係を育てる力も、経営には必要です。
そして、この4つは、人を固定的に分類するためのものではありません。自分が使いやすい視点に気づき、見落としている視点を補うための手がかりです。
例えば、新しい事業のアイデアが次々に浮かぶ経営者なら、その行動力を活かしつつ、実行の手順や継続の仕組みを考える人と組むことができます。
慎重に計画を立てることが得意な経営者なら、小さく試すことが得意な人と協力することで、計画を実践につなげやすくなります。
自分の強みを知るほど、誰の力を借りればよいかも見えてきます。
そのときに大切なのが、「違い」をどう受け止めるかです。
すぐに動きたい経営者から見ると、確認を重ねる社員が遅く感じられるかもしれません。一方、その社員は、失敗や手戻りを減らそうとしているのかもしれません。
目的を語る経営者に対して、社員が具体的な手順を尋ねることもあります。それは、実行するために必要な情報を求めている可能性があります。
そこで、
「何を確認できれば、進められそうですか?」
「今、どの部分が気になっていますか?」
と聴いてみる。
相手の考えがわかれば、伝えるべきことや任せ方を調整できます。違いを理解することは、日々のすれ違いによる消耗を減らす一歩になります。
任せるときにも、対話が必要です。
「任せたよ」の一言だけでは、何をどこまで判断してよいのか、相手に伝わらないことがあります。
目指す成果は何か。
本人が決めてよい範囲はどこまでか。
どんなときに相談するか。
いつ一緒に振り返るか。
こうしたことを共有したうえで、
「あなたは、どのように進めたいですか?」
と尋ねてみてください。
自分で考える機会と、必要な支えを用意する。その積み重ねが、社員の成長と、経営者が安心して任せられる関係を育てていきます。
もちろん、経営には思いどおりにいかない日もあります。
成果が出ないと焦る。焦ると指示が増える。社員が判断を待つようになる。さらに経営者の仕事が増える――。
例えば、このような悪循環に入っているとしたら、まず、その流れに気づくことが大切です。
「今、自分は何を恐れているのだろう」
「本当に自分が引き受ける必要がある仕事は、どれだろう」
「誰と、どんなことを共有すれば変えられるだろう」
自分の状態を振り返る時間を持つと、反射的に動いていたところに、選び直す余地が生まれます。
私は、自然体で経営することには、自分の状態を知り、必要なときに人の力を借りられることも含まれると考えています。
安心して課題を話せる仲間がいること。違う視点から意見をもらえること。小さな前進を一緒に喜べること。それらも、経営を続けるための大切な支えです。


そして、成果を積み重ねるうえで忘れたくないのが、感謝です。
感謝は、相手の貢献に気づき、それを言葉と行動で伝えるところから始まります。
「早めに知らせてくれたので、対応する時間が取れました」
「丁寧に確認してくれたおかげで、お客様に安心していただけました」
「あなたの提案で、私にはなかった選択肢が見えました」
何が助かったのかを具体的に伝えると、相手は自分の力がどう役立ったのかを知ることができます。経営者自身も、会社が多くの人の働きによって支えられていることに、改めて気づけます。
その感謝を、働き方の改善や成長の機会、適切な役割や報酬にもつなげていく。私は、そうした実践を通して「愛の循環」を育てていきたいと考えています。
成果を見つめるときには、売上や利益とともに、それを生み出す日々の変化にも目を向けてみてください。
お客様の困りごとを解決できたか。
社員が自分で判断できる場面は増えたか。
仕事の品質や進め方は改善したか。
経営者自身に、未来を考える時間が生まれたか。
数字と現場の変化を一緒に振り返ることで、続けたい取り組みと、見直すべきことが具体的になります。
私が目指しているのは、「愛のリーダーがあたりまえの世界」です。
そこには、社員やお客様を大切にする経営者自身も、喜びを持って働いている姿があります。
今日、自分に問いかけてみてください。
「自分のどんな強みを活かし、誰の力を借りれば、もっとよい価値を届けられるだろう?」
その問いから、自分らしさと仲間の力を活かす経営を、育てていきませんか。


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